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2024/05/19 (Sun)
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2008/10/10 (Fri)
「『クイズショウ』」
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「クイズショウ」1994年/米

監督:ロバート・レッドフォード
脚本:ポール・アタナシオ
出演:レイフ・ファインズ/ジョン・タトゥーロ/ロブ・モロー


ロバート・レッドフォード監督による、50年代アメリカで実際に起こったTVクイズ番組八百長事件を描いたヒューマン・ドラマ。

当時アメリカは急速な発展と共に、TVも普及。豊かになっていく生活に伴い、市民はより裕福な自分を夢見るようになる。そんな時代、人気を博したのが視聴者参加型のクイズ番組。自分たちの何ら変わりの無い一般視聴者が、クイズによって大金と名声を手に入れる。まさにアメリカンドリーム。視聴者は自らをそれと重ね合わせ、まるで我が事のように興奮し、クイズ番組の虜になる。

乱立したクイズ番組はやがてTV局トップとスポンサーによって、より高い視聴率と、それによる宣伝効果を求められるようになる。ただクイズが得意な一般視聴者から、ルックス、家柄、知性、全てを兼ね備えた、いわゆる“スター”が毎週勝ち続け、TVに出演し続けることを望むようになる。

局のトップとスポンサーの意向通り、“スター”を誕生させ、八百長で勝たせ続ける。当時のアメリカを背景に、TVという計り知れない影響力に魅了され、欲に惑わされ、翻弄された人々。後のアメリカ社会に多大な影響を与えたというこの事件、ロバート・レッドフォード監督らしい、アメリカの光と影を見事に捉えた作品。


なかなか、名優ぞろいのこの作品。ジョン・タトゥーロやミラ・ソルヴィーノ、なぜかマーティン・スコセッシも出演。なかでもディック・グッドウィン役のロブ・モローが印象に残った。日本未公開の映画出演が多いらしく、オレも知らん俳優さん。でも良かった。

ロバート・レッドフォード監督、あいかわらずいいテンポ、丁寧な演出、センスのいい台詞まわし。かなり完成度の高い、良い映画です。レッドフォード監督、ハズレな映画ってあんまりないね。


良くも悪くも、アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための映画。


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2008/10/08 (Wed)
「『ドラゴン・キングダム』」
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「ドラゴン・キングダム」2008年/米


監督:ロブ・ミンコフ
出演:マイケル・アンガラノ/ジャッキー・チェン/ジェット・リー/リュウ・イーフェイ


ジャッキーとリンチェイ、奇跡の共演。それだけでオッケーな作品でしょう。

中身はまぁ、普通。CGとワイヤーばっか。

ジャッキーは意図的にアクションを抑えたのか、それとももうあんまり動けないのか。リンチェイの動きが素晴らしかった分、控えめに感じられた。

リンチェイは素晴らしかった。キレ、美しさ、存在感。アクションはもちろん、演技もかなり良かったんじゃないかな。頑固な僧侶っぽさがよく出てた。

対するジャッキー。ジャッキーは良くも悪くもジャッキーそのもの。本人以外の監督や演出では良さを引き出せないのかも。印象は強いんやけどね。


まぁ、普通に楽しめたけど。


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2008/09/30 (Tue)
「『崖の上のポニョ』」
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「崖の上のポニョ」2008年/日本

監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
出演:山口智子/長嶋一茂/天海祐希/所ジョージ/矢野顕子/吉行和子
音楽:久石譲

で、ポニョです。

う〜ん、・・・。かな、感想は。

これまで通り映像や描写は素晴らしい。音楽もね。しかし前作「ハウル〜」と同様、大胆に説明をゴッソリ削ぎ落としちゃってる。「ハウル〜」のときは舞台や時代設定がそれっぽい感じやったからまぁ、大丈夫やったけど、今作はねぇ。登場人物の名前は全部日本名やし、幼稚園や老人ホームで結構リアルな感じが出てるのに、あのルックスで一瞬にして金魚と断定されるポニョ。

ちょっとねぇ〜、端折り過ぎ。「となりのトトロ」の時は「大人は見えない」って云う設定やったんでオッケーやったけど。

ポニョ出生の背景、ポニョの両親の背景、ポニョがソウスケを好きになる理由と度合い、リサとポニョのお母さんがどんな話したのか、等々、挙げだしたらキリが無い。理屈じゃなく感じなさい、というにはあまりに唐突で不親切な映画。入り込めなかったねぇ。

荒唐無稽というか、ハチャメチャというか、前衛的というか、なんというか・・・。


今のところ、オレは、理解しきれてない。と思う。


宮崎駿の夢や想像の断片を観てる様でした。






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2008/09/27 (Sat)
「『ハウルの動く城』」
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「ハウルの動く城」2004年/日本

監督・脚本:宮崎駿
出演:倍賞千恵子/木村拓哉/美輪明宏/我修院達也


やっときっちり鑑賞。

この映画、周りの評判はあまり良くなかったんやけど、これ、スゴい映画やと思う。

宮崎駿監督、とうとうこんな高みまで。素晴らしい。

なんか分かりにくいだとか、ラストに納得いかないだとか、色々聞くんやけど、オレはそんな事無かった。むしろ宮崎色爆発の素晴らしい脚本と演出の、完璧な作品やと思う。映画を観る醍醐味も十分に感じることが出来た。想像を掻き立てられたし、テーマとかメッセージも伝わった。

分かりにくいっていう感想は多分、この映画自体説明をガッツリと省略してるからやと思う。山田洋次監督の「男はつらいよ」も大胆な省略と偉大なるワンパターンで根強いファンを獲得したと思うんやけど、宮崎監督もそういった感じになってきたんやないやろか。

この映画、観終わったあとに沢山のイメージが湧いてきて、色々議論したくなる。ソフィーの呪いのことやハウルの謎、動く城のこと、星の子とか。

とにかくキャラの描写がもう素晴らしい。これは他のアニメでは全くと云っていい程期待出来ない部分。ホントに素晴らしい。台詞や間、仕草。これは映画に感情移入する上で大事な説得力のひとつになる。リアルな、ではなくて、っぽい、やね。


この映画、観た方が良いよ、絶対。おすすめ。これまで宮崎監督作品は「もののけ姫」が一番と思ってたけど、いまは「ハウル〜」やなぁ。



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2008/09/10 (Wed)
「『白痴』」
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「白痴」1951年/日本

監督:黒澤明
製作:小出孝
脚本:久板栄二郎/黒澤明
出演:森雅之/三船敏郎/原節子


云わずと知れた世界の黒沢監督です。

ドストエフスキーの同名小説を日本を舞台に置き換えて映像化。当初4時間という大作だったのを、松竹の意向で大幅カット、それでも2時間45分の長編作品。

三船敏郎や志村喬などおなじみの面々も出演。三船敏郎の存在感はさすが。

異国の、それも難しいテーマの原作を見事に表現してます。この作品、公開当時はどんな反響があったんでしょうかね。原作のある、しかもそれは純文学の範疇、の映画化やからそれほどたたかれてはなかったんやろか。当時の映画としては結構なショッキング映画やと思う。現在ならR指定確実。

良い脚本は当然のことながら、やはり説得力は役者の存在感にあり、やね。ラストの長回しのシーンなんかは三船、森、二人の名演技なくしては成立しえなかったであろうなシーン。引き込まれましたね。素晴らしい。

ヒロイン二人も存在感ありありで。特に原節子。超然としていながらその実、繊細で儚く、時として自身の命をも顧みないほどの情感を併せ持つ難しい役柄を熱演。素晴らしい。


昔の映画というのはね、やっぱり辛気くさい。モノクロやし音声も不明瞭なところもあるし、台詞や言い回しも”?”なところもあるし。しかし根っこの部分で大事なところは伝わる。そこが後世に多大なる影響を与えて、沢山の優れた作品を生み出すことにつながっていると思う。使い古された表現方法や演出、構図なんかの原型であるわけです。そういった意味で黒沢監督の功績は多大です。


「世界の黒沢」ここにあり、です。



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